2005年08月30日

主要政党 6党首討論会 首相まずは「技あり」

 衆院選公示を前に、主要六政党による党首討論会が二十九日、東京・内幸町の日本記者クラブで開かれた。小泉純一郎首相(自民党総裁)は、自民、公明両党で過半数の二百四十一議席を一議席でも下回れば「退陣する」と明言した。逆に、過半数を確保すれば「法案に反対した参院議員でも考え直す人がいる」として、郵政民営化関連法案の特別国会への再提出と成立に自信を見せた。
 靖国神社参拝について首相は、「適切に判断する。実績を見てもらえば分かる」と述べ、今年中に参拝を行う考えを示唆した。平成十九年度の消費税引き上げは「早いと思う」と否定した。
 民主党の岡田克也代表は民主単独政権を目指すと強調。郵政法案に反対したうえで、郵便貯金、簡易保険を縮小しながら、将来的に民営化するか廃止する考えを示した。最優先課題としては国民年金を含む年金制度の一元化を掲げた。
 公明党の神崎武法代表は児童手当の拡充を主張。選挙後の民主党との連携は否定した。共産党の志位和夫委員長はイラクに派遣されている自衛隊の即時撤退を要求。社民党の福島瑞穂党首は、出産費用の無料化や子ども手当の創設で「格差拡大社会を変える」と強調した。国民新党の綿貫民輔代表は自民党で郵政法案に反対した無所属の前議員と連携する考えを表明した。新党日本の田中康夫代表(長野県知事)は「公務の都合」を理由に出席しなかった。
     ◇
 ■「年金」で挑む岡田氏かわし
 衆院解散以来の派手な「小泉劇場」で先手をとられた民主党の岡田克也代表が、国民の関心が高い年金問題に絞って真正面から切りこんだものの、小泉純一郎首相に体よくかわされ、郵政民営化問題で「技あり」をとられたというところだろうか。
 六党党首による初の直接対決の場となった二十九日の党首討論会では、小泉首相の「勝負強さ」が目立った。
 岡田氏が年金未加入・未納者の増加で破綻(はたん)の危機にある年金問題をとりあげ、「打開策はあるのか」と再三、迫ったが、首相は「年金は選挙の争点とせず、与野党の協議機関で十分論議を」などとのらりくらり。岡田氏も「はぐらかされてしまった」と認めざるを得なかった。
 会場が最も沸いたのが、郵政民営化をめぐる首相と岡田氏のやりとり。首相は、「なぜ、民主党は郵政民営化に反対なのか」「なぜ、さきの国会で対案を出さなかったのか」と短い言葉でたたみかけて主導権を握り、守勢に回った岡田氏は「将来的には郵便貯金と簡易保険は民営化がスジ」と発言せざるを得なかった。
 その首相も「(慶応義塾)大学の先輩であり、どの国会議員よりも食事をし、酒を飲んだ肝胆相照らす仲」であった国民新党の綿貫民輔代表にはてこずった。
 綿貫氏は自民党の武部勤幹事長が「永田町(国会)と国民とは違う」と発言したのをとらえ、「永田町は国民の代表ではないのか」と迫り、「郵政民営化イエスかノーかですべての政策をくくるのは大変無謀だ」と厳しく批判した。首相は「郵政民営化について国民に聞いてみたいと選挙をやっている」と反論したが「綿貫氏の顔を見ると心が痛む」と思わず苦笑せざるを得なかった。
 それにしても自民、民主両党による党首討論が往復十二分ではあまりに短く、論点も年金と郵政民営化だけにとどまり、物足りなかった。
 議論を深めることによって見えてくるものは多い。今回の討論でも岡田氏は郵政民営化法案には反対なものの、郵便貯金と簡易保険の民営化は必要との認識を持っていることが鮮明になった。小泉首相が「(郵政民営化による)経済発展なくしては戦略的外交もない」と述べ、首相の関心のほとんどが郵政民営化の実現にあることも改めて浮き彫りとなった。
 年金問題の論議は深まらなかったが、憲法や財政、安全保障で両党の違いはどこか、共通点はあるのか、有権者にはもっと知る権利がある。
 二大政党のみの党首討論を自民党は拒否しているが、同党が嫌う「刺客」選挙のイメージを払拭(ふっしょく)するためにも党首同士による徹底した政策論争が必要だ。投票日まであと十日以上ある。首相にはぜひとも再考を願いたい。(乾正人)
(産経新聞) - 8月30日2時47分更新


posted by GIN at 11:36| 岩手 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々のニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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