白井万久裁判長は、「残忍で冷酷な犯行で、殺意が未必にとどまるとしても、量刑は不当とは言えない」として、1審判決を支持、真須美被告の控訴を棄却した。
1審で黙秘した真須美被告は、控訴審では供述に転じ、その信用性が唯一最大の焦点になっていたが、白井裁判長は「突然、真相を吐露し始めたとは到底考えられず、信用できない」と判断した。真須美被告は上告した。
真須美被告は控訴審で、カレー鍋の見張り状況について「二女と一緒にいて、一人になった時間はない。鍋のふたも開けていない」と述べ、ヒ素混入の機会はなかったと強調。「真須美被告が一人でいた」とする、近くに住む女性の目撃証言に対しては、「二女との見間違い」と主張した。
元受刑者の夫(60)にヒ素入りのくず湯を飲ませたなどとされる殺人未遂事件は「夫らが自分でヒ素を飲んだ」とし、夫も同様に証言した。
(読売新聞) - 6月28日11時52分更新
真須美被告に2審も死刑 毒物カレーで大阪高裁
和歌山市で1998年、4人が死亡し63人がヒ素中毒となった毒物カレー事件で殺人罪などに問われた林真須美被告(43)の控訴審判決で、大阪高裁の白井万久裁判長は28日、「カレー事件の犯人であることに疑いの余地はない」として、1審和歌山地裁の死刑判決を支持、被告の控訴を棄却した。
白井裁判長は、動機について1審判決と同様に「不明というほかない」と述べ、死刑選択の理由を「冷酷で残忍な犯行。結果は重大で、極めて厳しい処罰にならざるを得ない」と指摘した。
被告側は判決を不服として最高裁に上告した。
昨年4月から始まった控訴審で真須美被告は、捜査段階から貫いてきた“黙秘戦術”を転換、被告人質問で自ら無罪を訴えた。
(共同通信) - 6月28日12時57分更新
毒物カレー事件:林真須美被告 裁判長の顔見据え
でも、動機が分からない−−。和歌山毒物カレー事件で、大阪高裁が林真須美被告(43)の1審・死刑判決を支持した28日、傍聴した遺族や被害者は、被告にやり切れない視線を向け、最後に女性は「娘をかえして」と泣き崩れた。「私がやった確証は何もないのに、(1審は)いとも簡単に有罪、死刑。死んでも死にきれない」と、控訴審で冗舌を見せた被告だが、その弁明は「ねつ造」と判断された。事件から間もなく7年。4人が死亡し、63人がヒ素中毒になった事件の真相は、2度の死刑判決が出ても、いまだに藪(やぶ)の中だ。
真須美被告は開廷予定の午前10時から7分遅れて、大阪高裁201号法廷に入った。紺のジャケットに白っぽいズボン姿。入廷した瞬間、傍聴席の方に2回、目をやり、一瞬、はにかむような表情をみせた。被告席に座った後、白井万久(かずひさ)裁判長にうながされ、胸ポケットに入れた赤いハンカチを手に取って立ち上がった。
「今から判決を言い渡します」。白井裁判長の言葉に真須美被告は、はっきりとした口調で「はい」と言ってうなずき、両手を前に組んだ。
「本件控訴を棄却する」
白井裁判長が冒頭、1審の死刑判決を支持する主文を言い渡すと、真須美被告は無表情のまま裁判長の顔をじっと見据えた。その後、被告席に腰かけると、時折、首を左右に折ったり、丸めた背中を伸ばしたり、緊張をほぐすような仕草をして判決理由を聞き続けた。
言い渡しは午前11時半ごろ終了。真須美被告は、ため息をついて立ち上がり、笑みを浮かべながら退廷した。その瞬間、傍聴席にいた遺族は「娘をかえして」と叫び、泣き崩れた。
大阪高裁駐車場で行われたカレー事件控訴審判決の一般傍聴46席の抽選には、1230人が並んだ。大阪地・高裁では、ここ数年で最多の傍聴希望者数という。カレー事件の和歌山地裁判決時は、32席に2223人が長い列をつくった。
◇子供に毎日手紙
大阪拘置所の独房で暮らす真須美被告は、毎日のように夫や子どもに手紙を書いている。子どもも学校の教諭に付き添われて面会に来ることもあり、子どもの将来を気にかけているという。
控訴審が3月に結審し、接見禁止が解除されると、外部から多くの手紙が届くようになった。被告は事件を取り上げた週刊誌にも目を通し、弁護士に記事を示し「和歌山にいた時100キロあった体重が40キロ減ったとか、でたらめが載っている」と指摘したこともある。
夫は刑期を終え今月7日出所。報道陣に、被告の無実を7年間信じてきたと言う一方、「これからは大きな欲望を持たんと、ひっそりと生きていたい」と心境を述べた。住居など夫の生活の面倒をみたのは弁護団。被告はそれに感謝し、「あの人のことだから、しっかり生きていくと思う」と話したという。
判決前の24日、小林つとむ弁護団長が接見した。「裁判はふたを開けてみないと分からない。相撲と同じで、とってみなきゃ分からないんだから、いい判決が出る可能性もある」と励ますと、被告の表情がパッと明るくなった。そして、被告は「悪い判決だったら、その日に上告手続きをしてほしい。最後まで争うし、主張する」と訴えたという。
毎日新聞 2005年6月28日 12時39分
控訴審でも死刑……
疑う余地がないってことなんでしょうか。
人間、それまでに何をしてきたかで信用されるかされないかが決まると思います。
その意味では、
>白井裁判長は「突然、真相を吐露し始めたとは到底考えられず、信用できない」と判断した。
と言われても仕方がないと思います。
>「私がやった確証は何もないのに、(1審は)いとも簡単に有罪、死刑。死んでも死にきれない」と、控訴審で冗舌を見せた被告だが、その弁明は「ねつ造」と判断された。
状況証拠、というものがあります。
やった確証がない。
しかし、状況が犯人を示している。
そして夫にヒ素を飲ませたこともある。
疑われるに足る状況証拠とは思いますが……
日本の裁判は
疑わしきは罰せず
のはずです。
ですから、罰するに足る理由がやはり、あるのではないでしょうか。
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